ながいセンセの机の上

中学理科の最前線ポータル?、元ワンオペ3児のママ先生・ながいセンセのブログ

【後】ブログをはじめる、きっかけになったこと

前回の続き(時間的に続いてるだけ)、オープンゼミにて。

理科教育と、確か、感性…いわゆる”センスオブワンダー”の話題のとき。中学校の先生が言ってたんです。

ぼんやり記憶にある感じで書きます…

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クラスでちょっとヤンチャな1年の女の子が言うんですよ。

先生、どうして雪って食べちゃいけないの?この間雪降ったときにさ。お母さん、「あんな汚いもの食べちゃダメだよ」って言うんだ。でもあんなに冷たくて綺麗なのに。結晶とかすごいじゃん。どうして?

って。

どう答えたらいいのかなって。お母さんがどこまでのことを想定したのか分からないけど、地面に触れた汚くなったからダメなのか、そもそも雪の核は大気中の塵だし雪そのものが汚いからダメなのか。

休み時間のちょっとした話だったから、お母さんには汚かったんじゃないかってことで流れちゃったんです。

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これ、あるあるなのかな。

理科の先生なら、現象を科学的に見るし、その視点を生徒に伝えるのは、日常的にとてもやりたいこと。

でも私、そうは感じなかったんです。

このエピソードで感じたのは、娘と母との噛み合わなさ。雪は単なる話題なだけで。娘は「お母さん、私の言うこと何でも否定してくる!」「お母さんの思いを私に押しつけてくる!」「世間体を気にして私の気持ちを汲み取ってくれない!」…とまではいかなくても、ちょっとしたモヤモヤしたものがあって。母はただただ娘のことを考えて発言してるっていう。

 

私の中では、雪の科学に踏み込む必要性より、母子関係を気にする必要性が勝ちかな。そして、娘の『雪は冷たくて綺麗で結晶すごい』思いを孤立させたくない。

だから私だったら、「で、食べたの?」「母は食べないの?」とか出来事を突っ込んで、「雪は汚い」話題を意図的に消します。雪汚いを肯定したら、彼女の思いを否定する。雪汚くないは私には言えない。母の思いを推測しても、それってあくまで推測だし。

で、今回に限らず、時折雑談でも何でも声をかけるよう意識します。

私は雪食べますよ。降ってても落ちてても汚いと思うけど、興味には勝てなくて、ほんの少しだけ。子の前で率先して…は、ないけれど。

 

このエピソードがなければ、「雪って汚いの?」「それは上空でね…」と授業が始まる可能性もあります。「自分で調べてみて」のパターンもあるでしょう。

ケースバイケース。それはどの先生もそう。

ただ、とっさの出来事に対応するとき…何かを天秤にかけて発言しなきゃいけないとき…少しだけ、教育心理や生徒指導側に偏っているのかなって思います。

 

それでもいい、私は私らしく先生でありたい。

それを自分で確認したいために、ブログをはじめようと思ったんです。